行動のための学習になっているか

学習 自己実現

経営計画の中で、大枠は決めたものの、具体まで落とし込めてない場合、情報収集フェーズと実行フェーズに分けているものをお見受けします。

それはそれで良いかと思いますが、情報収集フェーズが順調に進行していたにも関わらず、実行フェーズになった途端、「他に対応する案件があり、来月になったら実行しよう。」、「やっぱりもう少し調べてからにしよう。」などと並べ立て、「実行されなければ、何も考えてないのと同じ」という苦言を分かっていながら、実行されずに終わってしまう経営計画は珍しくありません。

何のための学習か

似たケースとして、よく勉強しているにも関わらず、行動に至っていないという方と、結構な割合でお会いします。

本を大量に読み、多くのセミナーを受講し、ビジネスに関する知識が非常に豊富にも関わらず、何も始まっていないという方です。

幕末を舞台とした『高杉晋作』(山岡荘八、山岡荘八歴史文庫) で、安政の大獄で牢獄に入った吉田松陰が、自分を揶揄する、人生最大の重要事を悟る場面があります。

どのように高遠な識見も、それが現実に根をおろして実行されないのでは一碗の汁にも劣る

 

『高杉晋作』(山岡荘八、山岡荘八歴史文庫)

どんなに偉大な理想をもっていても、命を賭して実践し、実現していかなければ全く意味がない、ということです。

高杉晋作や久坂玄瑞、桂小五郎、伊藤博文など、そうそうたる人々が、彼の理想を実現しようとした、いわば、明治維新の影の立役者とも言える吉田松陰が、死を悟った最後に、自分の来し方を悔いた言葉でした。

行動を前提とした学びが必要

考えることへの偏重について、ムカデとカエルの寓話で揶揄しています。

ムカデは千本の足を巧みに操り、素晴らしいダンスを踊ります。カエルは、森の動物達から喝采を浴びるムカデを妬み、ムカデに手紙を書きます。

「ぜひ教えていただきたいのです。あなたはどのようにしてダンスをなさるのですか? まず228番目の左足を上げ、それから59番目の右足を上げるのですか。それとも最初のステップは26番目の右足で………」

それまでは何も考えず、体が動くがままに踊っていたムカデは手紙を読んで考え込み、 二度とダンスができなくなりました。

 

『ソフィーの世界』(ヨースタイン・ゴルデル著、池田香代子訳、日本放送出版協会)

自転車に乗れるようになる、泳げるようなるなどの過程で、同じような経験をされてはないでしょうか。

ぎこちないながら、自転車に乗ってみる、水の中で手足をバタつかせてみることの方が、上達への早道だったりします。

ビジネスで成功したいと願う意識が高い方の中には、役立つかもしれない、使うかもしれないという強迫観念のもと、あらゆるジャンルの本を読もうとし、話題のセミナーを受講しようと躍起になる方が、結構な割合でいらっしゃいます(私もかつてそうでした。。)。

その中で、本当に自分の血肉となり、武器として使えるようになるものは、非常に限られており、貴重な時間を、ただ精神的な安らぎを得ることに使いかねません。

全ての学習を、全て同じように割り切ることはできませんが、少なくともビジネスに限定したとき、行動するための読書、行動を前提としたセミナー受講に、できるだけ絞っていきたいものです。

なぜなら、ビジネスの成果は、世の中に対して働きかけた行動の集積の上にしか、成り立たないからです。

ビジネスにおいて、計画に対しても、学習に対しても、行動することを前提に、向き合っていきたいものですね。