会社売却が決まったら社員にどう話すか

オフィス バイアウト

会社売却や事業売却のご相談の中で、いつも考えさせられる質問があります。

「売却が決まったら、社員にはどう話せばいいのか?」

環境変化を迫る

創業の頃からの社員だったり、一番ひどい状況を共にくぐり抜けてきた社員の事を考えると、このような不安が湧いてくるのは当然です。

私自身も3回の売却で、最も葛藤を感じながら行動した場面でした。

社員は、思ってもいなかった環境変化を迫られ、大きなストレスを受ける関係者です。

会社売却は、オーナーが変わり、社長も変わる場合もありますが、 その会社自体は継続するため、社員への直接的な影響は限定的です。

事業売却の場合は転籍扱いであるため、今の会社を退職して売却先の会社に入社する手続きとなります。

そのプロセスの中で、自分の意思や先方の意思によりスムーズな転籍にならない可能性は、相対的に高まるのも事実です。

社員の反応

社員に話すシュチュエーションは、会議室で1対1による面談です。

社員の最初の反応は「驚き」です。

そして、我が身の今後の不安と、多かれ少なかれ「今までと言ってたことが違うじゃん。。嘘だったのかのよ。。信じて頑張ってきたのに。。」という不信や怒りが入り混じった感情を、その表情から読み取れます。

何度もこのシュチュエーションを経験した身として言えることは、初めから100%納得してもらうのは難しいということです。

なぜなら、売却自体は社長の個人的な理由ではないにしても、社長の目線でしか認識でなかった事実や類推に基づいて、意思決定した事案であるためです。

軋轢や孤独を伴うものであることは、あらかじめ覚悟しなければなりません。

ご縁を活かす

現在、私は会社売却や事業売却の支援をさせて頂いておりますが、売却したい理由をお聞きすると、社長個人の事情と事業自体の事情が、複数絡み合っている場合がほとんどです。

この状況で社員は、その事業に留まりたいと思う人、これを機会に辞めたいと思われる人に分かれるものですが、いづれにしても社員自身が選択できる環境を用意することは、最低限のデリカシーではないかと思います。

その上で、それまでの労をねぎらい、その人の人生や感情と向き合った上で、説明責任を果たすことが肝要です。

私自身は、かつて一緒に働いた社員と、数年後にビジネスで取引をしたり、飲みに行くご縁に発展した人が、何人もいます。

誠実に相手の人生に向き合おうとすれば、相手からも向き合ってもらえるものですから、過剰に心配する必要はありません。