明治時代から変わらぬ経営の基本中の基本

経営者 マネジメント

現在の三菱グループにあたる三菱財閥の創業者で、初代総帥の岩崎弥太郎は、同時代を生きた坂本龍馬と土佐藩の出身であったことで意気投合し、海援隊のスポンサーとして明治維新にも影響を与えた方です。

岩崎弥太郎が作った三菱綱領(現在でいう社訓)は、9条から成るものですが、最後の9条をご紹介させていただきます。

「創業は大胆に、守成(しゅせい)は小心たれ。樽(たる)より擁(く)む水にまして、洩(も)る水に留意すべし。」


創業は大胆に、守成(しゅせい)は小心たれ。

前半の「創業は大胆に、守成は小心たれ。」は、攻め時と守り時の心得を示しています。

企業は、成長と踊り場の繰り返しです。

業種によって時間軸の差や踊り場の長短はありますが、数十年単位で見れば、毎年成長し続ける企業はごくごく僅かです。

成長時は機会を逃さず攻め切る、踊り場である時は石橋を叩いて渡り、潮目が変わるのを待つのと同時に、新たな仕込みを行うことを示唆しています。

ポイントは、潮目が変わるタイミングを客観的に認識し、対応を準備し、素早くギアチェンジできるかどうかです。

特に成長から踊り場への移行時に、機を逃して散っていった事例は、戦時中の日本軍から21世紀に生まれた有名IT企業まで、事欠きません。

樽(たる)より擁(く)む水にまして、洩(も)る水に留意すべし。

後半の「樽(たる)より擁(く)む水にまして、洩(も)る水に留意すべし。」は、

樽から水をくもうとしているものの、その樽の底にはヒビが入っており、水が漏れているイメージです。

大きな設備投資などの場合は、何度も検討を重ねて、慎重にお金の使い方を考えますが、あまり認識してない、見えていない出費には注意が払えません。

会社でも家計でも、実際はすでに使っていないにも関わらず、固定で支払っている費用というのは、調べてみると結構出てきます。

例えば、必要になるはずだと契約した無数のドメイン、ほとんど読まない雑誌の定期購読、スマートフォンの使ってないオプション、必要以上のデータストレージ等々、

月間数千円から数万円クラスまであるかと思いますが、月間5千円だとしても年間6万円の要らぬ出費がいくつもあれば、従業員をもう1人雇用できるぐらいの金額になります。

さらに、これらのものは、船にこびりつくフジツボのように、剥がしても剥がしても、別の新たなフジツボが付着し、放っておけば肥大化するという特徴があります。

ただでさえ、会社は存在しているだけでお金が出ていきます。人間も、生きているだけでお金が掛かります。

限られたリソースを投入して顧客を増やし、売上を伸ばして生産性を最大にしたいものですが、その第一歩は、必要のない、あるいは許可した覚えのない金食い虫を「駆除する」ことです。

創業は大胆に、守成は小心たれ。樽より擁む水にまして、洩る水に留意すべし。

極めてシンプルながら、経営の根幹が凝縮された含蓄ある言葉ですが、時代を超え、先人の教え通りに実行していきたいものですね。