目標達成した時の感情よりも、プロセス毎の感情を先取りする

達成 目標

これまでのマネジメントは、目標を定め、目標に至る計画を立案し、計画と実績の差異に着目していれば事足りていたのではないかと思います。

これまでの成果に至る考え方

このスタンスは、過去に立てた目標や計画が正しいという前提に立っていたため、世の中の流れを予想できる確実性の高い状況では機能しました。

一方で、計画自体の不適切、タスク化の不十分、不適切な工数見積もりなどによって上手くいかない場合もあります。

多くの場合「計画倒れ」という言葉で処理されるわけですが、計画が全能である前提に立っているため、そのプロセスに原因を求めます。

しかし、これからも続くであろう不確実性の高い時代に、このようなサイクルが十分に機能しないことが多いため、視点を掘り下げる必要がありそうです。

不確実性の高い時代に成果を出す

例えば、目標を月商1,000万円としたものの月商500万円が実績だったとき、原因は3つほど考えられます。

1つ目は、目標設定に無理があった。

2つ目は、目標達成するために必要な、知識やノウハウを学んでいなかった。

3つ目は、行動内容や行動量が適切でなかった。

1つですが、「月商1,000万円」という目標を自身や社員にすり込むことは重要ですが、念仏のごとく唱えるだけでは成果に繋がりません。

実績と目標にかなりの乖離がある場合、掘り下げた実現可能性を検討していないケースが多いものです。

2つ目の、必要な知識やノウハウを学んで、部分的に役立つこともあるかと思いますが、本当の肝は言語化されていない全体文脈が関係している場合も多く、方法だけ鵜呑みにしても結果が出ないことの方が多いのではないでしょうか。

最後の「行動」についてですが、適切な行動内容を探っているときは成果が出ず、一見、前進していないように思われます。

しかし、この仮説検証によって自社にとっての方程式を見つけることができれば、行動量や投入するリソースを増やすフェーズに移行できます。「月商1,000万円」という成果はその結果に過ぎません。

すなわち、意思決定を遅らせ、仮説検証サイクルに徹して学びを収集する期間がどうしても必要なのです。

優先順位を入れ替える

実現したい最終ゴールを心の支えとしながら、検証行動とスケジュール管理に重点を置き、「今は学びを蓄積する時期」とマインドセットすることがスタートです。

初期段階で目標や知識に正確性を求め、ブラッシュアップしようとしがちです。

もちろんこれは重要なことですが、概まかに決めるぐらいに一旦止め、行動内容を決めるための活動の定義と検証活動を優先する必要があります。

その結果、良い結果も悪い結果もフィードバックされますから、目標の妥当性や本当に必要な知識やスキルが鮮明になります。

考えれば考えるほど困難に思えてしまう「目標そのもの」や、何でもかんでも手に入れようとする「知識・スキルのこと」を頭でこねくり回してみても、エネルギーの浪費になりがちです。

すなわち、「仮説設定して行動する」という行為だけが、もやもやした疑念を消し去って不純物を取り除く効果を果たせるのではないでしょうか。 

プロセス毎の感情が重要

また、背伸びすると届きそうな実現可能性の高い目標に対して、適切な行動で挑むことができれば、途中段階の成果も実感できるため、モチベーションを維持し行動を持続できます。

逆に、適切な行動が定まっていないのに気持ちだけが先行し、目立った成果が出なければ、気持ちが折れてしまいますよね。

起こりうる自身の感情をイメージできれば、「膨大な時間を投入して成果の出なかった活動」と同じ轍を踏まずに済むのではないかと考える次第です。