アイデアや予期せぬ成功に出会うには

ひらめいた 自己実現

先日、婚活に特化したイベントプロデュースを、年間800回以上開催されている企業の取締役の方と、会食をさせてもらいました。

伺った先方の事業収益は、チケット販売がメインですが、最近は、同様の属性をターゲットとした企業やブランドからの協賛依頼が増加傾向とのことでした。

その中で、これまで女性専用と思われていたサービス(例えば、エステやネイルなど)の協賛依頼が、男性ターゲットでの依頼に変わってきてるとお聞きし、大変に驚きました。

これらの企業ブースなどで、業界初と唄った商品・サービスの説明やミニセミナーを行うと、女性はこれまでも類似経験があり、それなりの知識や経験があるため、特に面白みや新鮮さを感じるリアクションは少ないそうです。

しかし、男性にとっては初めての経験・体験であるケースが多く、加えて商品・サービスの仕組みや構造を論理的に理解すると、素直にやってみたり、人に自慢したりする傾向が強く、販売にもつながりやすいとのことでした。

アイデアと予期せぬ成功

実業家のデイル・ドーテンは著書『仕事は楽しいかね?』シリーズで以下のように語っています。

新しいアイデアというのは、新しい場所におかれた古いアイデアなんだ。

『仕事は楽しいかね?』(デイル・ドーテン著、きこ書房)

また、ドラッカーは、イノベーションのための7つの機会の1つ目で、「予期せぬ成功」を挙げています。

予期せぬ成功ほど、イノベーションの機会となるものはない。
だが、予期せぬ成功はほとんど無視される。困ったことには存在さえ否定される。

『イノベーションと企業家精神』(ドラッカー著、ダイヤモンド社)

しかし、「新しいアイデア」、「予期せぬ成功」とは、どこで出会うことができるのでしょうか。

アライグマに学ぶ現状の打開

ここで私たちは、アライグマに学ぶことができます。

ニューヨーク郊外はアライグマ多発地帯です。日本でゴミを荒らすのはカラスですが、ここでゴミを荒らすのはアライグマです。

ニューヨーク郊外では、ゴミの日の前夜、自分の家の前の道路際にゴミ箱を置くのが通例です。彼らは、夜行性で夜になると通りや庭など、餌を探してウロウロしています。

ゴミの日の前夜は、アライグマたちが大活躍する日となります。あちこちの家のゴミ箱をひっくり返して、ゴミ袋を破り生ゴミなどを漁ります。

彼らはとっても頭が良く、かなりの知能犯で、道具を使うことができます。ゴミ箱がなかなか倒れない時、アライグマが大きな石を持ってきて、ゴミ箱にぶつけて倒していた姿を目撃した人もいます。

当然ですが片づけることはしません。ゴミ箱をひっくり返されて、荒らされたくなければ、 蓋付のゴミ箱を用意すれば防げると考えます。

でも、それでも手に負えません。 勢い良く倒すことで、ゴミ箱の蓋が外れることを彼らはちゃんと知っていますので、助走をつけて体当たりするアライグマもいるそうです。

そこで、ホームセンターでは、アライグマ対策用の専用ゴミ箱が売っています。

蓋にゴムみたいな紐がついた物で、蓋が外れないように頑丈に止めるのですが、開け閉めが負担となり、人間にとっては不便となります。

家の中にも侵入してきます。ニューヨークの家には、猫専用の入り口がある家も多く、 私の知人の家では、その入り口に鍵を掛けるのを忘れた夜、アライグマが家の中に侵入してきてました。

そして、戸棚を器用に開け、中に入っている食料を食い荒らしてしまい、キャンディーも器用に包み紙をむいて食べていたと、驚いていました。

アライグマは学習能力が高いため、対策を講じても、人間とのイタチごっこになってしまうとのことでした。

彼らの生き物としての強みは、目的を遂行するためにあらゆる方法を試そうとする「行動」にあります。

事業やキャリアに行き詰まった時、もちろん闇雲ではなく、着想や仮説と行ったり来たりするという意味での「行動」以外で、打開する方法を他に聞いたことがありません。

「新しいアイデア」、「予期せぬ成功」に出会えるチャンスが訪れたのですから、行き詰まりを歓迎し、アライグマの行動を思い返して頂くと良いかもしれません。