自己実現のために必要な、たった1つの能力

起業家 自己実現

先日、高校時代の先輩が創業された、現在も経営陣でいらっしゃる会社が、株式公開から約2年で格上市場へ鞍替えし、そのお祝い会に参加させていただきました。

昔を知る者として、そのキャラクターから、一定の期間で引退されるに違いないと思っていましたが、次は子会社の上場を目指す、と宣言されていました。

自分のどんな状態が心地良く、正常なのか

また別の機会でお会いさせて頂いた方は、過半の株式をお持ちになりながら、自身が経営されていた会社を、10億円以上で上場会社に会社売却され、売却時の契約で約束した在籍期間が終了したため、昨年退職されました。

そして次の日から、ご自身の新しい会社の、すでに借りていたシェアオフィスに、前日までと同じ時間に出勤され、また1人から新しい事業に邁進された話を、当然のようにされていました。

お二人とも、「少しゆっくりすればいいんじゃないかな、、」などと、私なんかは思ってしまうのですが、どんな状態が心地良く、正常なのか、また逆に、それが崩れたときの不快感や危機感を回避するには、どう行動したらいいのか、基準、言葉、身体知をお持ちなんだなと思わずにはいられませんでした。

私の様に、少しゆっくりできる時間ができると、すぐに油断する人間は、目標を達成したり、目標を立てていないと、ロクなことがありません。

1浪してようやく入れた東京6大学では、サッカー、バイト、合コンに明け暮れ、大学4年になった時には、卒業に必要な120単位中、64単位が残り、就活しながら朝から晩まで週6で大学に通って、かろうじて卒業できました。

1回目のバイアウトが完了した翌週から、忙しくて参加できてなかったサッカーチームに電撃復帰した3回目の試合時に、足のもつれから左手の薬指を骨折して、電撃引退する羽目になりました。

また、皆さんにも、多少なりとも身に覚えがあると思うのですが、平日は仕方なく仕事するものの、土日は昼まで寝てしまい、生活リズムが崩れ、翌週を憂鬱な気持ちでスタートしていた時期が、会社員時代にありました。

手に入れたい、たった1つの能力

つくづく思うのですが、1つだけ、望み通りに手に入れられる能力があるとしたら、私は迷わず、「日常的に自らを鼓舞し続ける能力」と答えます。

結び付きそうなポジティブな概念は、心の癖、良い習慣、意思、仕組みなどであり、ネガティブな概念は、危機感、恐怖心などでしょうか。

1つと言いましたが、これら全てが相乗効果を発揮している状態なのかもしれません。

次から次へと登場する、魅力的なインターネットサービスによって、私達のビジネスや生活の利便性や生産性は向上していますし、今後さらに向上していくことでしょう。

先進国に生きる私達は、かつてビリオネアの象徴とされたロックフェラーより、遥かに豊かな生活を送っています。

『繁栄ー明日を切り拓くための人類10万年史』(マット・リドレー 著、早川書房)には、「人類の繁栄は節約された時間で測るとよい」という一節があります。

かつて人生の時間のほとんどを、水汲みや洗濯、食料の確保など費やしていたことを考えれば、私達は、「余暇」と「自己実現」のための、それなりに十分な時間を有していると言えます。

自己実現が遠いわけ

しかしながら、後者の「自己実現」を望み、取り組む人が増えたものの、納得いく成果を出されている方は、一握りではないでしょうか。

インターネットの浸透によって、良くも悪くも、自身を相対化しやすくなり、他人と比較しやすい環境となりました。

このため、自分のあるべき姿を追い求めるのが、自己実現だとしたら、自身の価値観に基づいた独自性を追い求めるスタンスを、年々、取りづらくなっているのかもしれません。

自らの独自の目標に対して、昨日より今日、今日より明日と、「日常的に自らを鼓舞し続ける」ことに高い優先順位を置き続け、結果的として、相対的にも秀でた成果を出し続けている方々を、見習っていきたいと思うのです。