起業してからの不安と上手に付き合う方法

不安 起業

成功への期待とともに湧き上がる、失敗への不安や葛藤は、一歩踏み出して新しいことを始めても、途中で足を止めてしまう大きな原因の1つではないでしょうか。

ビジネスが失敗したり、上手くいかなる事を考えてしまい、目の前の仕事に集中できない、というような状況です。

頭の中で回っている不安

「この事業はうまくいくだろうか?」

「この延長に成功はあるのだろうか?」

「自分はこの仕事に向いているだろうか?」

こんな言葉が脳内を占めている状態で、気の遠くなる量のタスクに、完璧主義が加われば、ちょっとつまづいたりすると、本人の中で確信に変わったりします。

一方で、そんなことは起こるわけがないと、楽観的に構える人もいます。

上手くいっている時はいいですが、 不都合な変調の兆しが見えたりすると、途端に不安と恐怖におののいたり、根拠のない強気な言動を発してしまいがちです。

何も不利益を被らずに、プラン通り運べた方がいいに決まっていますが、大なり小なり「何か」は起こるものです。

起業してからは避けれらない相手

私は、起業や新事業を始める度に、「やろうとしている事業は、上手くいかないのではないか?」、「今からだと遅すぎるのでは?あるいは、早すぎるのではないか?」、「上手くいかずに資金が底をついてしまうのではないか。」などの言葉が頭をよぎりました。

同様に、バイアウト(会社・事業売却)の度に、「数年間、心血を注いで作り上げた会社や事業が安く評価されるのではないか?」とか、「数ヶ月の交渉期間中に、事業や外部環境に予想外の出来事が起こり、破談になってしまうのではないか?」などと、眠れない夜を過ごすこともありました。

そんな時に実行するのは、決まってこんなことです。

  1. 起こり得る最悪の事態を考える。
  2. やむをえない場合には、最悪の事態を受け入れる覚悟をし、最大損失を先取りする。
  3. 今の状況を好転させるアイデアや計画を考え、行動する。

まだ起こってもいない出来事と決着をつけ、一歩前へ進めるための仕事に集中しようとしました。

こうしなければ、前に進むどころか潰れていたと思います。

手を休めることと、足を止めること

火を起こす

マッチもライターもない状態で火を起こすためには、休むことなく木と木を擦り続けなければならないですよね。

途中で手を休めれば、それまでの努力は水泡に帰してしまいます。

疑うことなく、火が起こるまで勢いよく作業を続ける、そんな心理状態であることが肝要です。

登頂する

登山でも、登攀(とうはん)に成功するには、2つの準備が必要です。

1つは、登山道具や登山ルートの綿密な確認だったり、気象情報の収集と把握など、物理的な準備です。

もう1つは、道具が途中で壊れるかもしれない、崖崩れで計画ルートを進めないかもしれない、天気が急に悪化するかもしれないなど、不安や恐怖などの心理的な疑念に決着をつけておく準備です。

最悪の事態を受け入れる

心の平安は、最悪の事態を受け入れることによって得られますが、心理学的にいえばエネルギーを解放することになります。

最悪の事態を受け入れ、エネルギーを解放してしまえば、もはや失うものはありません。

さらに、それまでも合理的に検討をしてきているので、不安で一杯だった頭の中が空洞となり、思考の活性化が促され、知恵が湧いてきます。

  1. 起こり得る最悪の事態を考える。
  2. やむをえない場合には、最悪の事態を受け入れる覚悟をし、最大損失を先取りする。
  3. 今の状況を好転させるアイデアや計画を考え、行動する。

率直な気持ちで真摯に受け止めれば、少なくとも不安で手が止まることはないので、眠れない夜を過ごさなければならない時は、是非試してみてください。