起業後の人材採用について(従業員10人ぐらいまで)

面接 マネジメント

先日、表参道で眉カットを中心としたアイブロウ専門店の店長をされている女性の、起業相談を受けました。

一度でも施術を受けた方は、様々な理由で他店に行っても、また再来店する場合が多いというぐらい、腕の確かなプロフェッショナルが揃っているようです。

店長は、店がオープンした12年前から勤務し、来年4月の、1人娘が小学校に入学するタイミングでの起業を準備しています。

起業を見越して、数年前に、個室スペースが確保できる練馬区の一戸建てを購入されており、現在も休日には無理のない程度に、施術されているとのことでした。

また、今の勤務先にもすでに意向を伝えており、付き合いが長い指名顧客の中で、場所が表参道でないと厳しい顧客以外に対して、独立する旨の案内許可を社長に取り付けており、非常に良好な関係で退職できそうとのことです。

まずは自宅で起業される訳ですけれども、最も気にされていたのは、「どういう人を雇用すればいいのか」ということでした。

雇用できるぐらい収益が安定した後の話なので、優先順位としては少し低いかもしれませんが、私も売上がゼロのタイミングで、最も不安なことの1つだったので、目標が大きければ大きいほど、ご気持ちはよく分かります。

雇用に関して、自分の経験や、様々な社長に伺ったり、書籍などにも当たったこともありますが、どの業界か、社長がどの職種に精通しているか、創業時の経営陣が何人か、今の従業員は何人かなど、変数によって最適解が異なりますが、1つの参考としてお伝えしたいと思います。

この段階の採用活動の傾向

そもそも採用は、人材市場という外部のマーケットに働きかける行為であるため、コントロールできないものの、売り手市場とか買い手市場などの前に、大雑把な動向を押さえておく必要があります。

一般的には、給料が高く、安定していて、残業なく休日が多い企業に就職したい、という方が最も多く、それが前提であると認識した方が後々、苦心せずに済みます。

つまり、規模や知名度が高い企業の競争率が高く、新卒マーケットではそれが如実に表れます。

しかし、中には、「鯛(たい)の尾より鰯(いわし)の頭」や、「鶏口となるも牛後となるなかれ」などの格言のように、大きい組織で人の後に従うより、小さな組織で自分の考えで活躍したいと考える方も一定数います。

また、自分が起業する前提で、あえて小規模のベンチャー起業に就職する方もいらっしゃいます。

しかし、人気企業に入れるぐらいスキルや経験を持ちながら、起業するための経験を積みたい、あるいは、経営理念に共感したなどの理由で、創業間もない会社への就職を希望する方は、残念ながら驚くほど確率が低いのが現実です。

一方、採用する側は、少しでも波長が合ったりすると、採用プロセスが不十分なこともあり、当社で活躍する人材に違いないと、信じようとしてしまいます。

創業間もない会社で働こうという人の大半は、何らかの理由で就職活動が上手くいかず、不本意な雇用形態で仕事している方、短期での転職を繰り返している方、未経験の方、のどれかに当てはまる確率が高いと思われます。

このため、従業員10人ぐらいまでは、スキルはそれほど高くない、もしくは未経験であっても、人間的に素直だと判断できる方を、優先的に採用した方が上手くいきます。

スキルは、教えれば身につきますが、人としての真摯さや素直さは素養であり、教えることができませんし、教える過程での制約になります。

対応するマネジメント体制

また、前提としてトップダウンによるマネージメント体制である必要があります。

自分の考えに基づき業を起こした人が、まず手を借りたいのは、繰り返し発生する定型業務や、定型サービスの提供時です。

ですから、明確な指示が出せないのは社長の能力不足です。

この段階では、残念ながら、社長ほどの目的意識や熱意を持った人材は極めて稀で、安易な解釈を選択しがちなので、依頼した業務の結果確認が必要です。

10人を越した後は、コチラの記事を参考にしてみてください。