「備える」とは優良時間の捻出である

オフィス マネジメント

数人で外食する時、ブラブラ歩いて良さそう店に入ってみようと言うのも悪くは無いですが、せめて一軒目はお腹も空いていることですし、予約してスムーズにスタートしたいところですよね。

行列に並ぶのが嫌だなという感情が起こるのと同時に、時間を無駄に使うことになります。

ビジネスにおける有事への備え

私達のビジネスではどうでしょうか。

例えば、これまで遅刻することがなかった社員がしばしば遅刻するようなったり、取引先の担当者の顔つきが普段と違う上に、ちょっとした一言が気になった、などという経験がある方は少なくないと思います。

その後、その社員の離れて暮らす母親が病気で倒れたため、心配でよく眠れていなかったり、その取引先からは数週間後に、取引量を減らされる話を切り出された、という体験が私はあります。

予兆や情報から手を打っておくという「備え」は、ときに自分や自社を守るために必要不可欠です。

起こる内容は予想できないにしても、その社員と1対1の面談をすぐに設定する、違う取引先を開拓するため営業担当者に予め声を掛けておく、などの次の一手を打った状態になっている時、不利益を最小限に食い止めることができます。

手を打つタイミングが半歩遅かったために不利益が大きくなってしまった、というのもよくある話です。

不利益が起きそうな場合、起きてしまった場合、いずれにしても、現状を把握し、初動に向けた意思決定をし、回復に向けた行動に移るには時間を要するため、時間損失の話に置き換えることができます。

有事の際、予兆や掴んだ情報から手を打っておくという「備え」は、時間損失を食い止める役割を果たします。

平事の際に備えるメリット

不快、苦痛、恐怖という感情は、人の行動そのものに大きく影響を与えます。

このような人間特性を利用したビジネスは多岐に渡っており、将来の不快、苦痛、恐怖を回避するために、生命保険に入る、株や不動産に投資しておく、などの商売は昔からあり、多くの方が何かしら関わりがあるかと思います。

昨今、「人生100年時代の今、あなたの資産の2倍の金額は必要なんです!」などという触れ込みに判断力を狂わされ、投資詐欺にあってしまったというニュースは、枚挙にいとまがありません。

さて、ビジネスにおける不快、苦痛、恐怖には、どんなものがあるでしょうか。

お客さんが減る、売上が下がる、家賃の値上げを要求されるなど、様々あるかと思いますが、自社でコントロールできるものと、できないものがあります。

その中で、繰り返される社内ミスと、繰り返される社外対応というものがあります。

そのようなタスクは、非定型業務に対応ができる人が試行錯誤し、言語化すれば、誰もが対応可能な定型業務に変換することができます。

例えば、自社に興味を持つ企業から「会社紹介の資料がほしい」と要望をもらった時、一番始めに対応する人は、「当社の魅力を知って頂くためには、何をどう見せたらいいだろう。」という試行錯誤が必要です。

場合によっては、複数の社内メンバーから、決裁を取り付けなければならない場合があり、それなりの業務ボリュームになります。

そして、何とか満足のいく資料が出来上がり、ついでに、返信するメール本文も決めてしまい、全ての情報を社内に周知すれば、その後は全社員が誰でも対応することができます。

このように、決定し、仕組み化し、明文化することによって、同じレベルの対応が可能になることは、未来永劫、ゼロから対応する時間損失を無くしたことになります。

同時に、「まだ誰も、あの問い合わせに対応していないのか!」、「問い合わせに対応していると、着手してる仕事が片付かないから今日も残業だ〜」、「見込み客への対応を後回しにすると、部長が怒りそうだ〜」などの、不快、苦痛、恐怖の感情が生じる原因を潰したことになります。

本来集中すべき時間の捻出

さらに、こうして捻出された時間を、自分にしかできない本来の役割や目標に、当てることができます。

これも会社全体で考えれば、社員数を掛けた時間が成果となるため、減らした損失と増えた利得の合計は計り知れません。

すなわち、時間という資産を粗悪銘柄から優良銘柄に移し変え、投資ポートフォリオが改善したことになります。

創意工夫によって、誰にとっても平等で有限である「時間」というリソースを、有効活用していきたいですね。