物語の力を活用してみる

物語 顧客

私は、わざわざ録画して見るほど刑事もののドラマが好きで、数少ない趣味の一つです。

番組や、その回によって物語のパターンは様々とはいえ、何パターンかに集約されるものかもしれませんし、人によって好みがあるものです。

好きな物語のパターン

ある刑事ドラマでは、こんな話がありました。

メディアでも有名な書道の師匠を、一番弟子が殺害してしまうという事件が起きます。

師匠は、右手に大きな怪我をしてしまい、作品を書けなくなってしまいましたが、あるゴーストライターが書いたものを自分の作品として、世の中に発表していました。

そのことを一番弟子が知ってしまったのですが、自分がゴーストライターに指名されなかったことを師匠に詰め寄りました。

「師匠の一番大変な時に、力になりたいんです!」

長年育ててもらった弟子は、例え世の中を裏切る行為への加担であったとしても、師匠を支える強い気持ちだったのです。

師匠は、散々その弟子の実力不足をダメ出ししたことに加え、なんと一門からの破門宣告をしてしまいます。

弟子は感情的になり、近くにあった壺で師匠を殴り殺してしまいました。

刑事からの聴取に対して、 弟子はシラを切り続けましたが、刑事はやがて真実にたどり着き、クライマックスである逮捕の場面をお迎え、真実を知った弟子は、その場で泣き崩れます。

真実はこうでした。

師匠は、自分が世の中を騙し続けて、ゴーストライターに書かせていたことを公表しようとしていました。

公表すれば、一門に所属する自分の弟子達にも迷惑がかかる。

厳格で、口下手な師匠は、弟子との縁を切り、彼らに影響が及ばぬよう、自分一人が全ての責任を被る覚悟をしていたため、その弟子を遠ざける振る舞いをしたのです。

私がこの物語を見たときは、師匠と弟子それぞれのの行動に共感し(もちろん、殺人がまずいですが)、真実を知った時の感情の振れ幅が大きかったわけです。

その他のドラマや映画などでも同様ですが、「相手を思う心」と「ボタンの掛け違い」が、その後の登場人物の人生を良くも悪くも変えてしまう、という展開が、私の感動パターンであると、認識しています。

物語を取り入れる

さて、事業者が商品やサービスを企画する背景は、様々だと思いますが、市場が伸びているからや、 他社商品が売れているからなどの理由が、一般的かと思います。

そういった中で、企画者本人から湧き上がる「思いを形にした商品」という、エピソードもしばしばお聞きしますが、その思いが、物語として紹介されると、お客さんに伝わりやすく、心を動かすものです。

万人に受ける物語の構造をそのまま真似しようと思えば、汎用的になってしまいます。

かといって本職でもなければ、様々な物語のパターンを駆使するのは難しいものです。

であれば、自分が感動した物語を掘り下げて、その構造や要素を抽出し、商品やサービスにまつわる物語に反映し、心が動いてくれる方にご購入いただければ、長いお付き合いにも発展するのではないでしょうか。

若干、難易度が高い取り組みですが、実利を考えても、挑戦する価値はあります。