「備える」とは競争力の源泉である

鎖 マネジメント

「備え」が独自の競争力を持つことについて、考えていきたいと思います。

最大の差別化とは何か

差別化という言葉を、一度は耳にしたことがあるかと思いますが、 書籍やセミナーなどでは、関連する色々なキーワードが登場し、どれが本当に良いのか迷いますよね。

しかし、どれもポジショニング (戦略的立ち位置)か、バリューチェーン (組織能力)のどちらかの考え方に含まれます。

まず、ポジショニング (戦略的立ち位置)ですが、一言で言えば「他社とは違う位置取り」です。

この場合、選択と集中になる場合が多いですが、ファーストフード業界ですと、オーガニック素材を使ったメニューを売りにする、フレッシュネスバーガーがこれに当たります。

次に、バリューチェーン (組織能力)ですが、 他社から見えずらいという性質から模倣困難性が最大の特徴であるため、これ自体が自社の無形資産になり得ます。

ファーストフード業界ですと、マクドナルドの、注文から調理、お客さんへの提供までの仕組みと、それを実行する従業員への教育ノウハウが、該当します。

また、トヨタの車は、ポジショニングの観点では、お客さんが実感しやすいデザインや性能面などを外国車と比較すると、「総じて悪くはないけど」という評価にも関わらず、世界で一番売れている自動車メーカーです(安心・安全、信頼感など、他の要素も関係しているかと思います)。

同社は、原材料の仕入れから、製造現場、物流、販売ディーラー、顧客までのバリューチェーンを世界中で構築しています。

欧米やアジアの自動車メーカーも、これを真似しようと研究してきましたが、見えているのは氷山の一角であるため、未だ追いつくことができません。

たとえ全容を解明できたとしても、自社の従業員に浸透させ、従業員が自ら動けるようになるには、さらに長い時間が掛かります。

備えが組織能力

さて、私たちのビジネスでは、事業を構成する様々な要素、例えば、電話でのやり取り、出荷の手続き、レジでの応対など、隅々まで気配りして備えていないと、失敗の種は次から次へと花開いてしまいます。

繰り返す仕事には「うまくいく法則」があり、それを標準化し明文化したものがマニュアルですが、日常業務はマニュアル通りに進めていくことを原則とし、いちいち迷い、無駄な時間を過ごさないよう、「備える」必要があります。

こうして、無駄のない業務が連なり、集合体として価値を持つ「バリューチェーン」が出来上がります。

バリューチェーンは外から見えずらい上、経験により蓄積されたノウハウですから、次の新しい商品やサービスを立ち上げる時にも、活かすことができます。

私も、情報メディアを幾つも立ち上げ、その中の数サイトを売却しましたが、立ち上げ負荷はどんどん小さくなり、例えば月間100万PVに辿り着くスピードは格段に上がりました。

これらは全て、独自の競争優位性そのものであり、自社を独自の存在足らしめるものになります。

「備え」の意識を持ち続けることが、バリューチェーン (組織能力)を高め、結果として強固な競争力を構築することになります。

この法則は、トヨタのようなグローバル企業も、中小・零細企業も、個人も、当てはまり、規模は関係ありません。

「備える」取り組み自体を、競争力にまで高めていきたいものですね。