時間管理は原則を踏まえ、飽きたら変える

時間 マネジメント

「またやってしまったなぁ」という行動の1つに、「家に着いたら、まずテレビをつける」というのがありました。

取り除きたい習慣

別に見たい番組があるわけでもないのに、何となくつけてしまい、軽く見積もっても30分、酷い時は3時間ぐらいそのまま過ごし、その後は頭が働かないばかりか、激しい後悔の念が襲ってくる、に類することが過去に数え切れないほどありました。

コンセント付近にあるテレビチューナーを外す、という対策をしてみたところ、テレビを見る度にチューナーを入れるのは億劫ですから、「特に見たいわけじゃないし、面倒だからいいや」となり、断ち切ることができました。

似たようなケースで、オフィスに着いたら、まずメールを見る習慣が、良くないと思いながらもやってしまう、としばしばお聞きします。

急ぎのメールだけ対応したい、という気持ちも自然な心理ですし、1時間どころか、1分1秒のコミュニケーションが命取りになる、というご商売もあります。

そういう方は別として、午前中は脳がスッキリしているにも関わらず、少しメールを見出したら、条件反射で対応してしまうものですし、その時点で自分のペースは崩れています。

家に帰って付けてしまうテレビも、オフィスに着いて見てしまうメールも、その後の集中を妨げる習慣行動の1つです。

また、集中を妨げる行動の1つに、カフェのテーブルの上やオフィスの机の上に、その時着手している案件以外のものを置き、途中で意識がそちらに向いて集中が途切れる、というのがあります。

スマートフォンなんか手に取ってしまえば、その後は流されるまま、負のループに突入してしまったりしますね。

一度に一つの仕事

有名な「道は開ける」(デール・カーネギー)には、示唆に富む一節があります。

『君の人生を砂時計と考えてみるんだ。砂時計の上部には、無数の砂が入っている。

そして、それらの砂はゆっくりと、一定の速度で中央のくびれた部分を通過していく。

この砂時計を壊さないためには、君や僕が余計な手出しをせずに、砂の1粒1粒が、くびれた箇所を通過するままにしておくほうがいい。

君にしても、僕にしても、他の誰にしても、この砂時計そっくりなのさ。

朝、仕事を始めるときには、その日のうちに片付けてしまわねばならないと思われるものが山ほどある。

けれども、我々には1度に1つのことしかできないし、砂時計の砂がくびれた部分を通るように、ゆっくりと、一定の速度で仕事を片付けるしか手はない。さもないと、肉体や精神の働きが狂ってしまうのだ。

 

『道は開ける』(デール カーネギー (著)、創元社)

一度に一粒の砂、一度に一つの仕事。

私はカフェなどで、意識的に、今取り組む案件以外はテーブルに置かず、カバンにしまってしまいます。

行動したことが因となり、成果や変容に繋がりますから、24時間という有限資源をどう最適活用するかという問題意識が、時間管理のスタートであることは、言うに及びません。

その際のポイントは、ある行動に配分する時間、その中で集中できた程度、行動と行動の継ぎ目、ではないかと思われます。

言い換えれば「時間の長さ」、「時間の密度」、「時間の連結」となりますが、最後の「時間の連結」がうまくいかなければ、時間の長さや密度にも影響するのではないでしょうか。

移動を「伴う」時間の切り替え

時間の連結において、移動を「伴う」時間の切り替えと、移動を「伴わない」時間の切り替えがあります。

まず、移動を「伴う」時間の切り替えは、行動と行動の継ぎ目が明確に変わります。

外出する場合だけでなく、同じ屋内にいる場合も同様です。

例えば私は、1時間ごとに、打ち合わせ、執務、打ち合わせ、というように、 というように、移動を必要とするスケジュールが、挟み込むように発生するよう、努めております。

そうすることで、 同じ場所に長時間いる場合でも、メリハリと締め切り効果を活用し、それぞれの密度を濃くすることができます。

以前は、午前は執務に集中、午後は打ち合わせを続きで入れ、自分のモードを固定する、というやり方をとっていました。

時間管理に造詣の深い方々が、このようなやり方を推奨していると認識しておりますが、色々と試してみた結果、現在の形の方が自分にはあっています。

移動を「伴わない」時間の切り替え

もう一方の、移動を「伴わない」時間の切り替えを意識する必要があるのは、まとまった時間の執務や、終日デスクワークが中心などの場合です。

ここで重要なのは、直前の作業の痕跡を一切、残さないことです。

サッカーでは、ボールを取られた瞬間に守備に回る、攻守の切り替えの速さが勝負を決する場合があります。

2018年のワールドカップの準々決勝で、日本がベルギーに敗れた時の最後の得点シーンが代表的な例です。

引き分けで迎えた、試合終了間際の本当に最後の場面で、ほんの一瞬、攻守の切り替えが遅れただけで決勝点を奪われ、そのまま試合終了となりました。

ワールドカップで垣間見た、切り替えをためらったことによる、手痛い結果です。

カフェではスマートフォンをテーブルの上に置かない、書きながら思考するときはパソコンの電源を切るなど、脳にいちいち反応させない切り替えの工夫が、 長時間の密度の濃い集中力を、引き出すものです。

時間管理の原則に、自身の知恵を加える

時間管理で、最後に重要なのは、原則を学びつつ、自分に合っているか、続けられそうかのトライアルを絶えず行い、廃棄と導入をためらわないことです。

時間管理を学ぶにあたり、スティーブン・R・コヴィーの『7つの習慣』や、経営学者のピーター・ドラッカーを参考にされる方が多いと思いますし、私も多くのことを学びました。

時間管理の基本的な考え方は、8割以上共通していると思いますが、自身の体験を伴った知恵である1割、2割が、全体の価値に大きな影響を与えます。

私も飽きてしまったり、最近少し行き詰まってるなと思ったら、時間の連結方法の変更を、幾度となく行ってきました。

これからも、より良い組み合わせや連結方法が出てこないとは限りませんし、過去に回帰することさえあり得ます。

数々の偉人が残してくれた、時間管理の基本中の基本は踏襲するとして、成果を見据えた時間との付き合い方は、行動と行動の間、すなわち「時間の連結」を制し、必要な「時間の長さ」と「時間の密度」 を確保することが、肝要ではないでしょうか。